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TOBI STUDY | 東美スタディ ・ 今週のアートシーン

#245,111件の頂点は、ドラムにつける装置だった

2026年10月16日号 ・ 選考が動いた6本 ・ 3分で読める
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きのう、2026年度のグッドデザイン賞が発表された。審査対象5,111件の頂点に立ったのは、ヤマハの「専用マイク付きドラム拡張モジュール」。楽器そのものではなく、楽器に後から付ける部品だ。選考の結果が続けて出る週でもある。22日にはパリでマルセル・デュシャン賞の受賞者が決まり、東京国際映画祭はあす17日の10時、10日間ぶんのチケットを売り出す。選ばれたものは、やがて並べられる。23日には東京で竹久夢二、福岡でエリック・カールが、同じ日に開幕する。

デザイン🇯🇵 全国(10/15発表)

新しい楽器ではなく、いまあるドラムに付け足す側が選ばれた

15日、2026年度グッドデザイン賞の結果が出た。審査対象5,111件のうち1,484件が受賞。その頂点のグッドデザイン大賞に選ばれたのは、ヤマハの「専用マイク付きドラム拡張モジュール」だった。楽器ではない。いま使っているドラムに後から付け足す部品が、今年の一番になった。受賞のなかからベスト100が100件、金賞が19件、長く使われているものを選ぶロングライフデザイン賞が9件。受賞作は31日から東京ミッドタウンの「G展」に並ぶ。

💡 ゼロから新しいものをつくらなくても、すでにあるものの使い道を変えれば頂点に立てる。手持ちの画材でもソフトでも、理屈は同じだ。

映画🇯🇵 東京・日比谷(10/17発売)

映画祭のチケットが、あす10時にいっせいに出る

第39回東京国際映画祭が、10月26日(月)から11月4日(水)まで開かれる。会期は10日間。会場は日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区ほか。チケットの一般販売は、あす17日(土)10時。オープニング作品は『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』、クロージング作品は『コロニー』。コンペティションのほか、ガラ・セレクションやアニメーション部門に分かれる。公開前の新作が、まとめて出る。

💡 評判がつく前に観ると、感想を人から借りずにすむ。借りものでない「面白かった」を持てる機会は、思ったより少ない。

現代美術🇫🇷 パリ(10/22発表)

デュシャンの名がついた賞が、22日に受賞者を決める

パリ市立近代美術館で、マルセル・デュシャン賞の2026年の受賞者が、22日(木)に発表される。候補は4組。Joël Andrianomearisoa、Brognon Rollin、Laura Henno、Josèfa Ntjamで、4組の作品を並べた展覧会が10月2日から2027年2月7日まで開かれている。受賞者は、その会場で決まる。開館は火曜から日曜の10時から18時。賞ができたのは2000年。フランスのコレクター団体ADIAFがつくり、ポンピドゥー・センターと組んで続いてきた。名前の由来であるデュシャンは、市販品をそのまま作品として差し出すレディメイドを美術に持ち込んだ人だ。

💡 候補4組のうちBrognon Rollinは2人組。「作家はひとり」とはかぎらない。共同名義で動く作家は、いまの現代美術ではふつうにいる。

日本美術🇯🇵 東京・竹橋(10/23開幕)

《黒船屋》が、約40年ぶりに展覧会へ出る

「竹久夢二 時代を創る表現者」が、23日(金)に東京国立近代美術館で開幕する。全国の夢二コレクションから約500点。目玉は1919(大正8)年の《黒船屋》。所蔵する竹久夢二伊香保記念館に入ってから初めて、約40年ぶりに展覧会へ出る。夢二は美人画の人として覚えられがちだ。会場には日本画も油彩画も木版画もスケッチもデザインもスクラップブックも並ぶ。会期は2027年1月11日(月・祝)まで。前期と後期で一部の作品が入れ替わる。休館は月曜(11月23日と1月11日は開館)と11月24日と年末年始で、開館は10時から17時、金曜と土曜だけ20時まで延びる(入館は閉館の30分前まで)。

💡 日本画も油彩も版画もデザインも、ぜんぶ同じ人の仕事として並ぶ。「絵の人」「デザインの人」という線引きは、あとから引かれたものかもしれない。

絵本🇯🇵 福岡(10/23開幕)

『はらぺこあおむし』の前に、彼はグラフィックデザイナーだった

「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が、23日(金)に福岡県立美術館で始まる。並ぶのは約180点。27冊分の絵本原画。グラフィックデザイナー時代の仕事。構想段階でつくるダミーブック。そしてコラージュのために自分で色と模様をつけた紙まで出る。カールの絵は、描いたものではない。染めた紙を切って、貼ったものだ。だから完成した絵より、その手前にある紙が並ぶところに意味がある。会期は12月20日(日)まで。休館は月曜だが、11月23日は開館して翌24日が休みになり、開館は10時から18時、最終入場は17時30分となる。

💡 作品づくりが、紙をつくるところから始まっている。手を動かす範囲をひとつ手前に広げると、絵柄は勝手に自分のものになる。

マンガ🇯🇵 東京・六本木(10/27 前売終了)

萩尾望都・山岸凉子・大和和紀が、800点で並ぶ

「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」が、28日(水)に国立新美術館で開幕する。原画は800点以上。モノクロもカラーも出る。少女漫画の作家3人だけで、国立の美術館が企画展を組む。会期は2027年2月8日(月)まで。カラー作品は前期(12月14日まで)と後期(12月16日から)で入れ替わる。休館は火曜(11月3日と12月8日は開館)と11月4日と年末年始で、開館は10時から18時、金曜と土曜だけ20時まで延びる(入場は閉館の30分前まで)。高校生は前売300円・当日500円。オンラインの前売は27日(火)23時59分まで。

💡 前売と当日で200円ちがう。開幕前に決めておくだけで、絵の具1本ぶんが浮く。

今週はここまで。
5,111件のうち、残ったのは1件だった。22日にはパリで、4組から1組が決まる。映画祭は公開前の作品を並べ替えて、10日間の時間割にした。選考はどれも、最後は人が手を挙げて決めている。約500点の夢二展にも、約180点のカール展にも、その裏には並ばなかったものがある。展覧会を見るというのは、誰かが選んだ結果を見ることでもある。自分が選ぶ側に回ったとき、何を残して何を落とすのか。次号もお楽しみに。
編集:東洋美術学校 | study.to-bi.ac.jp ・ 全記事 出典リンク付きの要約です
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