文字のからだを知る
日本語の文字はすべて「仮想ボディ」という正方形の箱に入っています。 実際にインクが乗る部分が「字面(じづら)」。 箱をそのまま並べるのが「ベタ組み」ですが、字面の大きさは文字ごとに違うので、 そのままでは間が空いて見える場所ができます。それを整えるのが「詰め」の作業です。
仮想ボディ
全文字共通の正方形の箱。日本語フォントはこの箱単位で送られます。
字面
実際に見える文字の部分。ひらがなや小書きかなは字面が小さめ。
カーニング
特定の2文字の間だけを調整すること。全体を均等に調整するのは「トラッキング」。
約物(やくもの)
句読点やかっこのこと。字面が半分しかないので、詰めの主役になります。
字間と行間をさわってみる
スライダーを動かして、同じ文章の印象がどれだけ変わるかを体感しましょう。 読みやすい本文の目安は、字間 ベタ〜+5%、行間 160〜190% あたりです。
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
ツメ組みゲームに挑戦
文字を左右にドラッグして、いちばん美しいと思う字間に整えたら「判定」。 お手本との近さを採点します。両端の文字は固定です。 文字をクリックして ←→ キーでの微調整もできます。
※お手本(判定後に水色で表示)は本サイトの作例です。文字組みに唯一の正解はありません。
美しい文字組みのコツ
1. 詰めるのは「空いて見える所」だけ
全部を均等に詰めるのではなく、小書きかな・約物・かなの並びなど、間が空いて見える場所を狙って詰めます。
2. 約物が詰めの主役
「、」「。」かっこ類は字面が半分。連続したら半角分詰めるのが定石です(例:」「 や 。」)。
3. 行間は文字サイズの1.7倍前後
本文の行送りは170〜190%が目安。1行が長いほど行間は広めに。見出しは120〜140%まで詰めてOK。
4. 迷ったら遠くから見る
画面を縮小して「文字のグレーの濃さ」が均一に見えれば良い組み。ムラがあればそこが詰めどころです。
Illustratorでの文字組み操作
| 機能・キー | はたらき |
|---|---|
| Alt/Option + ← → | カーニング(カーソルを2文字の間に置いて)/ 文字選択中はトラッキング |
| Alt/Option + ↑ ↓ | 行送りの調整 |
| カーニング「メトリクス」 | フォント内蔵の詰め情報を使う。和文では「和文等幅」が標準 |
| カーニング「オプティカル」 | 字形からAIが自動で詰める。詰め情報のないフォントに便利 |
| 文字ツメ(0〜100%) | 字面に合わせて前後のアキを削る、和文向けの詰め機能 |
| プロポーショナルメトリクス | OpenType機能。フォント内蔵の和文詰め情報を一括適用 |
| 文字組みアキ量設定 | 約物まわりのアキを自動制御。「約物半角」がよく使われる |
| Ctrl/⌘ + Shift + > < | 文字サイズの拡大・縮小 |